予定納税とは、前年分の所得税額をもとに、本年分の所得税の一部をあらかじめ納付する制度です。所得税法第104条により、予定納税基準額が15万円以上の人が対象となり、その金額を記載した通知書が原則6月15日までに税務署から送付されます。予定納税額は第1期分(7月)と第2期分(11月)に分けて納付し、確定申告で精算されます。本年の所得が前年より大きく減少する見込みがある場合は、所得税法第111条に基づく減額申請(第1期分7月15日・第2期分11月15日が期限)により納税額を抑えられます。6月に通知書が届いたら、金額の確認と減額申請の要否判断を行うことが重要です。本記事では、予定納税通知書の確認と減額申請の判断を税理士法人みらいが整理します。
予定納税と通知書とは
予定納税は所得税の前払いであり、確定申告で最終的に精算されます。通知書には予定納税額が記載されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 予定納税基準額が15万円以上の人(所得税法第104条) |
| 通知 | 原則6月15日までに税務署から送付 |
| 納付 | 第1期分7月・第2期分11月の2回 |
| 精算 | 翌年の確定申告で年税額から控除 |
2026年度の予定納税スケジュールは個人事業主の予定納税|2026年度の納付スケジュールと振替納税の活用もご参照ください。
予定納税基準額の判定
予定納税の対象となるかは、予定納税基準額が15万円以上かどうかで判定されます。
- 原則として前年分の申告納税額(一定の調整後)を基礎に算定
- 基準額が15万円以上で予定納税の対象
- 第1期・第2期は原則として各基準額の3分の1ずつ
- 退職所得など一部の所得は基準額の計算で除外される
通知書に記載された金額が前年の状況と整合するかを確認します。
納期限と納付方法
| 区分 | 納期限 |
|---|---|
| 第1期分 | 7月1日〜7月31日(休日の場合は翌営業日) |
| 第2期分 | 11月1日〜11月30日(休日の場合は翌営業日) |
- 納付書による窓口納付・口座振替(振替納税)・e-Tax・クレジットカード等
- 振替納税は登録口座から自動引き落とし
- 納付遅延は延滞税の対象
振替納税のメリットは前掲の予定納税ガイドをご参照ください。
減額申請の判断と手続き
本年の業況が悪化し、所得や税額が前年を下回る見込みのときは、減額申請を検討します(所得税法第111条)。
| 区分 | 申請期限 |
|---|---|
| 第1期分・第2期分の減額 | 7月15日まで |
| 第2期分のみの減額 | 11月15日まで |
- 廃業・休業・業況不振・災害等が典型的な減額事由
- 本年分の所得・税額の見積額を記載した申請書を提出
- 承認されれば予定納税額が引き下げられる
- 見積りが甘いと後で不足し延滞税となるおそれ
確認時の注意点
- 通知書の氏名・税額・納期限の記載を確認
- 前年に一時的な多額の所得があった場合は減額申請を検討
- 本年に大きな経費・投資の予定がある場合の影響を試算
- 資金繰りに予定納税額を織り込む
- 振替納税の口座残高を事前に確認
法人の中間納付と異なり個人の前払いですが、資金繰り管理の重要性は同様です。法人の中間納付は法人税の中間納付の実務をご参照ください。
よくある質問
Q. 予定納税の通知が来ない場合は?
A. 予定納税基準額が15万円未満の場合は対象外で通知は届きません。対象のはずなのに届かない場合は税務署に確認します。
Q. 減額申請は必ず認められますか?
A. 見積額の合理性を税務署が審査するため、必ず認められるとは限りません。減少の根拠(売上減少資料等)を整えて申請することが重要です。
Q. 予定納税を払い過ぎたらどうなりますか?
A. 確定申告で精算され、予定納税額が年税額を上回れば還付されます。ただし資金が一時的に拘束されるため、見込みが立つ場合は減額申請の検討が有効です。
まとめ
6月に届く予定納税額の通知書は、所得税法第104条の基準額15万円以上の人が対象で、第1期(7月)・第2期(11月)に分けて納付します。本年の所得が前年より減少する見込みがある場合は、所得税法第111条の減額申請(第1期分7月15日・第2期分11月15日が期限)により納税額を抑えられます。通知書が届いたら、金額の確認、納期限・資金繰りへの織り込み、減額申請の要否判断を行いましょう。なお、減額申請の可否や見積額の判断は個別事情によるため、必ず税理士にご相談ください。