個人事業主の予定納税|2026年度の納付スケジュールと振替納税の活用

目次

  1. 予定納税とは
  2. 予定納税基準額の判定方法
  3. 2026年度の納付スケジュール
  4. 振替納税のメリットと手続き
  5. 減額申請の実務
  6. よくある質問
  7. まとめ

個人事業主の予定納税とは、所得税法第104条に基づき、前年分の確定申告で算出した所得税額(予定納税基準額)が15万円以上となった場合に、その年の所得税の一部を年2回(7月・11月)に分けてあらかじめ納付する制度です。納付額は予定納税基準額の3分の1ずつで、納期は第1期が7月1日〜7月31日、第2期が11月1日〜11月30日です。本記事では、2026年度の納付スケジュール、振替納税の活用、減額申請の実務まで国税庁の基準を踏まえて整理します。

予定納税とは

予定納税は、所得税の前払い制度として位置づけられ、納税者の資金繰り平準化と国の歳入安定化を目的としています。対象者には、毎年6月15日までに税務署から「予定納税額の通知書」が郵送または電子的に通知されます。

項目内容
根拠法令所得税法第104条〜第115条
対象者予定納税基準額が15万円以上の個人
通知時期6月15日まで(税務署から通知書)
納付額予定納税基準額×1/3(第1期・第2期それぞれ)

確定申告の基本的な仕組みは確定申告の基礎知識と手続きガイドで解説していますので、初めての方はあわせてご確認ください。

予定納税基準額の判定方法

予定納税基準額は、前年分の確定申告書の数値から計算されます。一般的な計算式は次のとおりです。

  • 前年分の課税総所得金額に対する所得税額(基準所得税額)
  • −源泉徴収税額(給与・配当等)
  • −復興特別所得税額の還付・還元分の調整
  • =予定納税基準額

判定の例として、前年所得税額が60万円で源泉徴収税額が0円の場合、基準額は60万円となり、第1期・第2期にそれぞれ20万円ずつ納付することになります。基準額の通知は6月15日までに届くため、自分で計算する必要はありません。ただし、納付資金を準備するためには、確定申告時点で予定納税の発生可能性を見積もっておくことが重要です。

2026年度の納付スケジュール

納付期間2026年の納期限
第1期7月1日〜7月31日2026年7月31日(金)
第2期11月1日〜11月30日2026年11月30日(月)

納期限が土日祝日にあたる場合は、国税通則法第10条第2項により翌平日が納期限となります。2026年については第1期・第2期ともに通常通りの納期限です。納付方法は、振替納税・ダイレクト納付・クレジットカード納付・コンビニ納付・金融機関窓口払いから選択できます。

振替納税のメリットと手続き

振替納税は、納税者があらかじめ指定した預貯金口座から国税が自動引き落としされる制度です。個人事業主にとっては資金繰りと納付忘れ防止の観点で大きなメリットがあります。

主なメリット

  • 納期限後の引落し日まで実質的な納付猶予がある(数週間程度)
  • 納付忘れ・延滞税のリスクを大幅に低減
  • 金融機関や税務署窓口に出向く必要がない
  • 確定申告と同じ口座を予定納税にも設定できる

手続き

「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を所轄税務署または金融機関に提出します。e-Taxからオンラインで提出することも可能です。一度設定すれば翌年以降も自動継続されます。経費の計上・管理の論点は経費として認められるもの・認められないものもご参照ください。

減額申請の実務

所得税法第111条に基づく予定納税の減額申請は、その年の所得が前年と比べて相当程度減少すると見込まれる場合に活用できます。減少の理由は、廃業・休業・売上減少・大きな経費増・災害損失など、合理的に説明できるものであれば対象となります。

申請期限対象必要書類
7月15日まで第1期分・第2期分予定納税額の減額申請書、見積損益計算書
11月15日まで第2期分のみ同上(直近の月次推移を反映)

申請には、その年の見積所得金額・税額の根拠資料が必要です。月次試算表、売上推移表、新規取引契約書などを添付し、所得減少の合理性を示します。税務調査でよく指摘される項目は税務調査でよく指摘される項目と対策もご確認ください。

よくある質問

Q. 予定納税を払わないとどうなりますか?

A. 国税通則法第60条により、納期限の翌日から延滞税(年率は法定利率による)が発生します。長期間放置すると差押え等の滞納処分の対象となるため、減額申請または期限内納付が原則です。

Q. 給与所得が中心で副業所得が少ない場合も予定納税の対象ですか?

A. 給与から源泉徴収されている所得税額が大きい場合、予定納税基準額が15万円未満になることが多く、対象外となるケースが一般的です。源泉徴収税額の水準で判定されます。

Q. 予定納税の納付額は確定申告でどう精算されますか?

A. 翌年の確定申告(3月15日期限)で、年間の所得税額から予定納税の納付済額が差し引かれ、不足があれば追加納付、過大であれば還付されます。

まとめ

個人事業主の予定納税は、前年所得税額が一定以上の方に課される前払い制度です。第1期7月31日・第2期11月30日の納期限を意識した資金繰り、振替納税による事務負担軽減、所得が大きく減る場合の減額申請を組み合わせて、年間キャッシュフローを最適化することが重要です。経営計画と資金調達の連携の観点からも、予定納税のスケジュールは事業計画に組み込むべき要素です。税理士法人みらいでは個人事業主の確定申告から予定納税対応まで一貫してサポートしています。なお、個別事案は必ず税理士へご相談ください。

この記事の執筆者

税理士法人みらい(東京都西東京市/名古屋支店)。昭和58年開業、平成18年法人化。ISO9001認証取得。元国税局OB税理士を含む15名以上の税理士が在籍し、法人・個人の税務会計をワンストップでサポートしています。

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