自動車税・軽自動車税とは、地方税法第148条(自動車税種別割)および第442条以下(軽自動車税種別割)に基づき、毎年4月1日時点で自動車・軽自動車を所有する者に都道府県・市町村が課税する地方税です。納期限は東京都を含む多くの自治体で5月31日(軽自動車税は5月末)に設定され、5月初旬に納税通知書が所有者に送付されます。事業用車両の自動車税・軽自動車税は租税公課として全額損金算入できる一方、個人事業主の家事兼用車両は事業使用割合での按分が必要です。本記事では、2026年度の自動車税納付実務と経費処理について税理士法人みらいが解説します。
自動車税・軽自動車税とは
自動車に関する地方税は、令和元年(2019年)の税制改正により名称・体系が以下の通り整理されています。
| 税目 | 根拠法令 | 課税主体 | 対象車両 |
|---|---|---|---|
| 自動車税種別割 | 地方税法第148条 | 都道府県 | 登録自動車(普通車・小型車) |
| 自動車税環境性能割 | 地方税法第145条 | 都道府県(市町村に交付) | 取得時のみ課税 |
| 軽自動車税種別割 | 地方税法第442条の2 | 市町村 | 軽自動車・二輪車・原付 |
| 軽自動車税環境性能割 | 地方税法第451条 | 市町村 | 取得時のみ課税 |
このうち、毎年5月に課税されるのは「種別割」です。「環境性能割」は車両取得時の一時課税で、別途取扱いとなります。
2026年の納付スケジュール
多くの自治体で2026年度の納付スケジュールは以下の通りです。納税通知書は所有者の住所地に5月初旬〜中旬に届きます。
| 時期 | 主な実務 |
|---|---|
| 4月1日 | 賦課期日。この日時点の所有者が納税義務者 |
| 5月初旬〜中旬 | 納税通知書の発送・到着 |
| 5月31日 | 東京都など多くの自治体の納期限 |
| 6月30日 | 青森県・秋田県など一部自治体の納期限 |
| 納期後 | 督促状送付、延滞金発生(地方税法) |
2026年5月31日は日曜日のため、地方税の取扱いに従い納期限は6月1日(月)に繰下げになる自治体が多い見込みです(地方税法第20条の5)。お住まいの自治体の納税通知書記載期限を必ずご確認ください。
税額の決まり方とグリーン化特例
自動車税種別割の税額は、自家用乗用車の場合、総排気量に応じて決定されます。
- 1,000cc以下:年額25,000円
- 1,000cc超〜1,500cc以下:年額30,500円
- 1,500cc超〜2,000cc以下:年額36,000円
- 2,000cc超〜2,500cc以下:年額43,500円
- 2,500cc超〜3,000cc以下:年額50,000円
- 3,000cc超〜3,500cc以下:年額57,000円
- 3,500cc超〜4,000cc以下:年額65,500円
※2019年10月1日以降の新規登録車両に適用される税額。それ以前の登録車両は旧税額が適用されます。
グリーン化特例:電気自動車・燃料電池車・天然ガス車などについては、新規登録の翌年度に概ね75%軽減の特例が継続されています(地方税法附則)。一方、新車登録から13年経過したガソリン車は概ね15%、ディーゼル車は11年経過で概ね15%重課されます。
事業用車両の会計処理
事業の用に供する車両の自動車税・軽自動車税は、納付時に「租税公課」として全額損金算入できます。
法人の仕訳例(5月納付)
借方:租税公課 36,000円 / 貸方:現金預金 36,000円
個人事業主の按分
家事兼用車両の場合、事業使用割合(走行距離・日数等で合理的に算定)に応じて按分します。例えば事業使用50%なら、納付額の半分が必要経費、残りは事業主貸として処理します。
必要経費の判断基準は経費として認められるもの・認められないものもご確認ください。
納付方法と納税証明書
2026年度の主な納付方法は以下の通りです。
- 金融機関・コンビニ窓口:納税通知書持参で納付
- 口座振替:事前申請で納期限日に自動引落
- クレジットカード:地方税お支払サイト(自治体により対応)。決済手数料が別途必要
- スマートフォン決済:PayPay・LINE Pay・auPAY・d払い等(自治体により対応)
- Pay-easy:ATM・ネットバンキングから納付
- 地方税統一QRコード(eL-QR):2023年4月以降、全都道府県で対応
2015年4月以降、自動車税納税確認の電子化により、口座振替・電子納付の場合は紙の納税証明書なしで車検が可能となりました(運輸支局と都道府県のシステム連携)。ただし、納付直後の車検は反映タイムラグがあるため、領収済通知書を保管することが推奨されます。
よくある質問
Q. 4月2日以降に新車を登録した場合、自動車税は?
A. 4月2日以降の新規登録車両は、その年度は課税されません。翌年度4月1日時点の所有者に課税されます。年度途中の中古車購入では、月割りで取得月翌月から3月までの自動車税環境性能割(取得時)と種別割の按分があります。
Q. 廃車・譲渡した車両の自動車税は?
A. 4月2日以降に抹消登録した場合、その年度の自動車税種別割は月割還付されます。一方、軽自動車税種別割は月割制度がなく、4月1日所有者の年税額負担となります。
Q. 自動車税を滞納するとどうなりますか?
A. 督促状送付、延滞金発生(地方税法に基づく税率)、財産調査・差押の対象となる可能性があります。また、車検時に納税確認できないため車検が受けられません。
まとめ
自動車税種別割(5/31納期限が多数)と軽自動車税種別割は、4月1日時点の所有者が納税義務者となる地方税です。事業用車両は租税公課として全額損金算入でき、個人事業主は家事兼用割合に応じて按分します。グリーン化特例による軽減・重課、電子納付・eL-QRによる多様な納付手段、納税証明の電子化など、近年の改正点も押さえることで実務効率が向上します。5月の経理タスク全体は5月にやるべき経理タスク総まとめもあわせてご参照ください。なお、個別事案は必ず税理士にご相談ください。