赤池三男第189号「相続の話」

都近郊に住む元サラリーマンさんは、6回目の誕生日を迎えた。元会社同僚は作っていたし、税理士も「死んでからでは遅い」と言う。Aさんが遺言(ゆいごん・いごん)を書こうと決心した理由がある。遺言を書くのは縁起でないと!と。

Aさんは18歳で上京した。大人社会に溶け込み大会社に勤めて高くなりある生活をしようと決めた。27歳の結婚を機に3DKの分譲マンションを購入。何れもローンで。退職金の半分を将来在職中に完済。退職金の半分を持株会上場3社の株式を取得し金生活を楽しむ為労所得を得ようとした。取得時は法定の生涯計画だった。取得時は基礎控除が5,000万円+妻子三人の1,000万円の合計8,000万円で、相続税が課税される金額ではなかった。

相続は「厭」用ではない。天災紛争、戦争で人が死んでいる。相続と共に次に代に移す。成天皇から、令和天皇に移る時も相続は発生する。キリスト・テンノウ。相続は贈与の分野だが法律は税を別定した。所得税の生前精算との位置付け説もある。令和3年の死者は1,439,856人、うち相続税を納めた人134,275人。税額は2兆6千2百億円で国家歳入の2%。外国で私有財産を認めない国を除いて、相続税を課さない国はオーストラリア、マレーシア、メキシコ、カナダ等。これらの国に日本から財産移転や移住する事を政府は警戒している。

基礎控除額は創設以来、時を見て引き揚げてきたが、平成27年に「富裕層に高額負担を!」で税法が8,000万円→4,800万円に改正された。Aさんの様に資産取得時では課税に至らない額だが、社会情勢など外的条件変化と税法改正によって、納税額に至る者が出てくる。Aさんの取得時財産額は法定控除が計8,000万円だったので、相続税金額に至らない。ところが令和7年現在では土地実売価格坪当り200万円超。株価の上昇と株式分割があり評価は五倍になっていた。ところが相続税控除額が4,800万円に下がっている。Aさんの財産額は1億円超だから充分に課税対象価格になる。

思い立ったが吉日と、Aさんは地域の公証人役場を訪れて遺言書作成の相談をした。役場内は相談者が沢山訪れていた。やっぱり同じ考えの人が多くいる。予約をしてようやく後日に目的を達した。

(令和7年4月15日 赤池三男)